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ワンポイントアドバイス
胃がんとピロリ菌
ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)は胃の中に住み着く細菌で、かねてから胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因とされてきました。さらに近年ではピロリ菌が胃がんにも関連していることが明らかになり、WHO(世界保健機構)はピロリ菌が胃がんの確実な発がん因子であると認定しています。「胃がんはピロリ菌の感染症である」と言われ方をすることもあります。
ピロリ菌は5歳くらいまでの乳幼児に感染し、アンモニアのバリアを作って胃酸から身を守ることで長く胃に居続けます。ピロリ菌の作るアンモニアは胃に炎症を起こし、傷んだ胃の壁が萎縮することで萎縮性胃炎が引き起こされます。この炎症・萎縮が続くと胃がんにつながってしまうのです。
ピロリ菌に感染している人が1年間に胃がんを発症する確率は0.4~0.5%ほどですが、これを生涯での発生確率に置き換えると、感染者の約10%が死ぬまでに胃がんになる計算です。このようなピロリ菌と胃がんの関係は日本や中国、韓国などの東アジア地域で顕著で、同様にピロリ菌が胃がんの原因でありながら、欧米で胃がんの発生自体が遥かに少ないのは、ピロリ菌の性質の違いによるものと考えられています。
胃の壁はピロリ菌以外にも塩分の過剰摂取や喫煙でも傷つけられるため、そうした習慣があると胃がんのリスクはさらに高まることになります。
ピロリ菌の検査、除菌と併せて、生活習慣の改善や定期的にがん検診を受けることも大切です。
2018年11月1日発行 第1892号