医学メモ「子宮頸がん」と「ヒトパピローマウィルス」
 子宮頸がんは子宮の入口(頸部)に悪性腫瘍ができるがんで、「ヒトパピローマウィルス(HPV)」の感染が原因です。性交渉により、ほとんどの女性が一度はHPVに感染することが分かりました。多くは免疫によって自然に治癒しますが、5~10年後に子宮頸がんを発症する場合があります。近年は特に20~30代という若い世代の罹患率、死亡率が共に増加傾向にあります。
 昨年10月、我が国もようやくHPVワクチンが承認され、12月に販売されることになり、子宮頸がんの一次予防の道が開かれました。日本人がかかる子宮頸がんの約6割が16型と18型という発がん性のHPVによるもので、ワクチンはこの2つに有効です。発がん性HPVに感染する可能性が低い10代前半にワクチンを接種することで、より効果的に予防できます。ワクチンの接種時に既に16型や18型に感染している場合は、十分な予防効果は期待できませんが、通常、両方の型に同時に感染している可能性は低いため、感染をしていない型に対しては予防効果が期待できます。
 また、発がん性HPVに既に感染している人がワクチンを接種しても、症状が悪化することはありません。
 十分な予防効果を得るためには3回の接種が必要です。初回の後は、1か月後と6か月後に接種することになりますが、接種費用は保険が適用されない自由診療となるので、3回分で約5~10万円になります。あまりにも個人負担が大きいため、欧米諸国では国による助成制度があります。日本でも、一部の自治体で助成が行われ始めました。現在、江戸川区においてもHPVワクチンの公費助成について検討が行われています。