医学メモ「臓器移植~いのちの贈り物~」
 臓器移植は、病気などにより心臓や肺などの臓器が機能しなくなった場合に、健康な臓器を移植して機能を回復させる医療です。以前は、重い心臓病や呼吸不全で臓器が機能しなくなり、移植しか治療法がない人たちは、外国に行って移植を受けるか、移植を希望しながら亡くなっていました。
 こうした中、平成9年10月に「臓器移植法」が施行され、臓器提供をする場合に限り、脳死を人の死とすることになりました。人の死は心臓の停止、呼吸の停止、瞳孔の散大の3つを確認して死の三兆候としてきましたが、医学の進歩し、機械などによって脳死状態でも心臓を動かすことができるようになりました。その後12年が経ちましたが、脳死による臓器提供者は86人にとどまっており、移植を待ちながら亡くなる人が多いのが現状です。これまでは、臓器の提供は、意思表示カードやシールなどの本人の意思表示と家族の同意が必要でした。また、提供者になれるのは15歳以上のため、小児は外国で臓器移植を受けざるを得ませんでした。
 しかし、昨年7月に「改正臓器移植法」が公布され、今年7月からは、臓器提供者の年齢制限がなくなり、本人の拒否がなければ、家族の同意だけで臓器の提供ができるようになります。臓器の移植により、大切な命が救われる方が大勢います。これを機会にみなさんも臓器移植について考えてみませんか。