医学メモ「季節性及び新型インフルエンザ」
 新型インフルエンザ(ブタインフルエンザ)が流行中です。今まで新型であると想定されていたトリインフルは、幸いヒトからヒトへの感染は、今のところ認められてはいません。しかし、本当に怖い新型はこのトリインフルなのです。
 ブタインフルは季節性インフルと同様に、鼻や喉といった気道に感染するだけで全身にはまわりません。すなわちブタインフルの毒性は季節性インフルとあまり変わりません。脳症など重症になるのは、本来なら感染を防ぐ働きをしている免疫が過剰に反応してしまい、結果おこることが多いようです。ところが、トリインフルはウィルスが血液の中に入り込み、全身に感染してしまいます。その結果、非常に重い感染症である脳症や重症肺炎といった命にかかわることになってしまいます。季節性インフルやブタインフルとは全く違った疾患と言ってもいいくらいなのです。
 ブタインフルに対する抗体を持っているヒトはほとんどおりませんので、低温・乾燥といったウィルスが長生きしやすい環境になれば、大流行となることは避けられません。現在の製法でのワクチンでは、予防効果には限界があり万能ではありません。大切なことは、人混みや不必要な外出は避ける、うがい・手洗いを徹底する、加湿器を使用して室内湿度を60%以上に保つといった日常生活の中での予防です。残念ながら罹ってしまった場合は、可能な限りヒトとの接触を控えて、マスクを徹底して感染の拡大を出来るだけ抑えるようにしましょう。
 近い将来トリインフルは、新型インフルとなって我々の前に姿を現します。来たる事態に備え、今回のブタインフル対策を良き体験とするためには、落ち着いて行動することが重要です。