医学メモ「人工透析」
 腎不全などで腎臓が正常に機能しなくなると、血液中の老廃物や水分を体外へ排出することができなくなり、人工透析治療が必要になります。透析というと、週3回、1回3~4時間の治療を要するため、仕事も何もできない、つらいだけの治療というイメージがあるかも知れません。しかし、現在日本では27万人の方が透析治療を続けており、仕事をされている方も大勢います。
 透析治療はまず、左手首の動脈と静脈を接合して静脈にたくさんの血液が流れるようにするシャント手術を行います。そこに太い針を刺して血液を取り出し、ポンプを介してダイアライザー(透析膜)の中に血液を流します。ダイアライザーは、細いストローを束ねたような構造をしており、中側には血液、外側には透析液が流れ、両者の間で物質交換が行われます。こうして、不要な物質は透析液に、必要な物質は血液に移って血液はきれいになり、また、太い針を通って静脈に戻されます。最初に針を刺すときは痛いのですが、透析中は痛みを感じることはありません。透析中には、本を読んだり、テレビを見たり、ノートパソコンで仕事をすることもできます。
 このように人工透析治療は行われていますが、透析治療を受けずにすむよう、腎不全の原因となる糖尿病や高血圧といった生活習慣病を甘く見ないことが重要です。食べ過ぎなどに注意して、ウォーキングを始めるなど、運動する習慣をつけ、健康的な生活を心掛けましょう。