医学メモ「パニック障害」
 「パニック障害」とは、激しいパニック発作で始まる不安障害です。パニック発作とは、混雑している閉鎖的空間や公共の場などで、動悸、めまい、手足のしびれや胸部の圧迫感などが突然生じることをいいます。
 具体的には、電車、バス、エレベーターなどの狭い空間にいるとき、または理・美容院や歯科で専用の椅子に座らされるなど行動の制限を受けるとき、または路上や広場といった開放された空間にいるときなどに起こります。漠然とした強い不安感に襲われ、「気を失うのではないか」「死ぬのではないか」と恐怖感を覚えることもあります。その場から動くことができず、救急車を呼んだりすることも少なくありません。ところが、病院に到着したころには発作のピークは過ぎ、症状は見られなくなっています。
 パニック発作は繰り返し起こります。そのため、また発作が起こるのではないかと不安感が募り、発作が起きた場所や状況を避けるようになるため、「学校や会社に行けない」「あまり外出できない」など日常生活に制約が起こります。この不安を「予期不安」といいます。発作は減っても予期不安は長期間にわたって続き、やがてうつ状態になることもあります。
 パニック障害の原因はまだ解明されていませんが、現在は薬物療法でほとんど治ります。決してその人の気の持ち方や性格が原因ではないということを、周囲も理解する必要があります。慢性的疾患で、薬を中断すると再発しやすいため、医師の指示どおりに服薬を継続することが大切です。命に直接関わる病気ではありませんので、安心して治療を続けましょう。