医学メモ「感染性胃腸炎」
 感染性胃腸炎とは、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなどの細菌や、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが、主に食品、水、ペットなどを介して口から体の中に入り、発熱・下痢(水様便、血便)・腹痛・嘔吐などの症状を起こす病気です。
 カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、ロタウイルスが4大病原体です。
 このほかにも腸管出血性大腸菌や、海外渡航者では赤痢菌、コレラ菌、赤痢アメーバなどが原因となることもあります。1年中発生しますが、腸炎ビブリオによるものは夏季に多く、ノロウイルスは秋から春に、またロタウイルスは冬季に乳幼児に多くみられます。
 潜伏期間は数時間から数日間まで様々で、食品摂取の内容、家族内発症の有無、ペットの有無、海外渡航歴、基礎疾患などを基に、便や血液検査から診断します。
 治療は、吐き気止め・鎮痛剤・整腸剤などの点滴や内服薬を中心とした対症療法(症状に応じた治療)を行います。ただし、1)38℃以上の発熱・1日10回以上の下痢・血便がある重症例、2)腸管出血性大腸菌の場合、3)海外渡航者、4)基礎疾患がある場合、5)食品取扱者、6)保育園や老人施設の関係者で2次感染を防ぐ必要がある場合などでは、抗生剤を使用することもあります。一般的には治療後の経過は良好ですが、サルモネラによるものでは、回復後も便への排菌が続くことがあります。
 病原体が口から体の中に入って感染しますので、手洗いをよく行うことが予防の基本です。