医学メモ「受動喫煙」
 喫煙者の喫煙を能動喫煙というのに対して、他人が吸ったたばこの煙を吸わされることを受動喫煙といいます。また、たばこの煙は次の2種類に分けられます。一つ目は主流煙で、喫煙者が吸い込む煙です。二つ目は副流煙で、火のついたたばこの先から出る煙です。
 たばこの煙の中には、約40種類の発がん物質や有害物質が含まれていますが、副流煙には主流煙の数倍~数十倍の有害物質が含まれています。喫煙が原因となる病気は肺がんが有名ですが、受動喫煙との因果関係がほぼ明らかな病気としては、ほかにも慢性気管支炎、気管支ぜん息、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などがあります。
たばこを吸わない人もたばこを吸う人と同じ空間にいれば有害な副流煙を吸わされてしまいます。家庭内では、夫の喫煙量に比例して、妻の肺がんの発生リスクが高くなり、子どもがぜん息になる確率も高くなります。
また、妊婦の喫煙は、早産、流産、死産、低体重児出産などのリスクを増やします。たばこの有害物質は母親の胎盤を通して胎児にも悪い影響を与えますので、妊娠中の方はたばこを吸わないようにしてください。
たばこを吸わない人が、受動喫煙により命に関わる様々なリスクを負わされていることは明らかです。職場や公共の場での分煙化は進みつつありますが、受動喫煙を減らすには、喫煙を抑制することが最も効果的です。喫煙者自身の健康のためにも、喫煙をしない努力をしていきましょう。