医学メモ「禁煙」
 禁煙は、心筋梗塞、脳卒中、肺がんなど生活習慣病の最も大きな原因の一つですが、禁煙することで、これらの病気は予防可能です。最近では、たばこが身体に与える悪影響がかなり認識され、街中でも禁煙区域が広がり、「たばこをやめたい」と思う人も増えています。禁煙のポイントとして、たばこをやめたくてもやめられない人はたばこ依存症という病気であることを理解することが大切です。
 たばこ依存症にはニコチン依存と習慣依存という2つの依存状態があります。たばこの成分であるニコチンには依存性があり、ニコチンが切れてくると、イライラしたり、怒りやすくなるなど不快な症状が現れます。このため、たばこを吸って定期的にニコチンを体内に取り入れないと生活できない状態となります。日本の喫煙者の40%がニコチン依存の状態です。もう一つの依存状態が習慣依存です。これはたばこを吸うという行為自体が生活に組み込まれてしまったため、心理・行動面での依存傾向が進み、自分の意志でコントロールできない状態です。この2つの依存状態がわかったことで、最近では確実な禁煙方法を採ることが可能となりました。つまり、ニコチン依存にはニコチン置換療法で、習慣依存には行動置換療法で治療します。
 ニコチン置換療法とは、喫煙以外でニコチンを補給する方法で「ニコチンガム」「ニコチンパッチ」などを使い、依存性を離脱させます。行動置換療法とは、「氷のかけらを口に含む」「冷たい水で顔を洗う」などの行動により気持ちをコントロールしていく方法です。これらの治療は自己流では難しく、長続きしないのが現実です。医療機関の禁煙外来などに相談して始めることをお勧めします。