医学メモ「漢方」
 漢方は7世紀頃日本に伝わり、18世紀頃までに日本人に合うように改良された中国系の医学です。広い意味では鍼や灸も含まれますが、普通は漢方薬を用いる治療法をいいます。その特長は、動植物や鉱物の一部をそのまま薬とする「生薬」をいくつか組み合わせて調合するため相乗作用があらわれ、様々な病気に効果があること、また西洋医学の薬に比べて副作用が少ないことです。なお、健康保険で百数十種類の処方が認められています。
 漢方は、患者の体力・体調・病気のおこり方などの症状にあらわす「証」に合わせて処方し、病気の予防や治療を行います。「証」は、「陰証」、「陽証」、「虚証」、「実証」などに分けられます。「陰」とは体調などが病気に対して穏やかな状態、「陽」とは高ぶっている状態、「虚」とは体質や体力が弱い場合、「実」とは強い場合をいいます。なお、漢方では「望」・「聞」・「問」・「切」の4つの診察法を用います。患者を外部から視るのが「望診」、咳や声を聞くのが「聞診」、病状を質問するのが「問診」、腹部などを手指で診察するのが「切診」で、医師の五感を使って診察を行います。
 悪性腫瘍や著しい感染症、外科手術が必要な病気には、漢方はあまり適しません。しかし、自覚症状があっても検査して異常がなく、健康に近い状態の場合には、効果があります。