医学メモ「うつ」
 現代は「うつの時代」と言われています。うつになると、気分がゆううつで何もしたくなくなり、考え方も悲観的で、頭が回らず、自分の能力が落ちたように感じられ、ときには死にたくなることがあります。ほとんどの場合が不眠になり、食欲や性欲がなくなり体重が減ります。そして、元気がなくなり、口数や動きが減り、それまで好きだったことも嫌がるようになります。また、うつは心の症状だけではなく、全身倦怠感、胃部の不快感、便秘、頭痛などの身体の症状も伴います。
 うつになる原因はいくつかあります。例えば失恋、死別、引っ越し、結婚、昇進、出産など、人生における出来事に引き続いて起こることがあります。また、自分の能力以上、こなせる量以上の仕事を抱えて連日働きつづけた結果、過労によるうつで自殺するということが問題になっています。ほかにもこれといったきっかけもなく、うつになることがあります。
 うつに関係が深い性格については、日本やドイツで研究されていて、真面目で、几帳面で、こだわりが強い完璧主義の性格の人や、義理堅く、秩序を愛し、社交的で面倒見の良い、親分肌の性格の人がうつ病になりやすいと言われています。
 この病気になってしまったら、どうしたらよいのでしょうか。一般的には薬による治療が中心になります。また、薬と一緒に精神療法も並行して行われます。うつになった人に、家族や職場、友人など周囲の人はどう接したらよいのでしょうか。本人は、やりたくともやるエネルギーが切れてしまった辛い状態にあります。そのため、叱ったり、励ましたりということは、その辛さをあおることになるので、しないように気をつけましょう。現在は良い抗うつ薬も開発され、治りやすい病気になってきていますので、薬とともに周囲の愛情と根気よい支えがうつの人の救いになります。